サンタルチアの祈り

『――に支配され、一度は――を……い傷つけまでした私が
このようなことを祈るのさえおこがましいことかもしれませんが
どうか――が救われますように、どうか――を守ってくださいますように』
 
そのときから怒りと嫉妬に包まれた……は歌になった。
何度も怒りと祈りの輪廻転生の中に身を置いた。
 
いつか光に包まれたその世界でなら、また笑い合える日がくるでしょう。
この世のどこにもすがりつくあてのない思いは涙になって落ちた。
光の世界の希望はこの世の絶望として鈍く光った。
 
 
焚書『聖マルタナ偽書 サンタルチアの祈り』
 

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